宅建業免許 > 宅建業免許を受けるための3つのポイント
宅建業免許を受けるためにはいくつかの要件を満たしていなければなりません。そこで、確認が必要になってくるのが次の3つのポイントです。
①開業資金について
②事務所の要件
③宅建取引主任者の要件
こうしたポイントを抑えておけば、比較的スムーズに開業することが可能になります。
①宅建業を始める開業資金について
会社を設立し宅建業免許を取得し宅建業者として開業するまでにどれくらいの資金が必要でしょうか。
まず、会社設立費用から見ていくと、株式会社を設立する際には、定款の認証や登記費用として、おおよそ30万程度かかります。
次に宅建業の知事免許で役所の手数料が3万3千円です。ここまでで30万円~35万程度です。
さらに宅建業を営むためには営業保証金を供託するか、保証協会に加入し分担金を納めるかのいずれかをしなければなりません。供託の場合は、1,000万円が必要です。保証協会に加入の場合は協会や支部により異なりますが、概ね200万円前後必要になります。新規に会社を設立し、宅建業免許を受けるとすると、保証協会に加入の場合で240万円程度。
この金額は必ず必要となります。
また、宅建業を営む場合は、申請の前にしっかりとした事務所を構えていなければなりません。宅建業でない会社を設立するのであれば、事務所兼会社となっていても登記することは可能です。しかし、宅建業免許を受けるに当たっては住居と事務所が同一というのは原則として認められません。宅建業では事務所は重要な意味を持つ場所であるので、しっかりと独立したスペースを確保していなければならないからです。そのため、住居とは別に事務所を借りるための費用が必要です。
「宅建業免許を受けるまでの日数などを考えると、先に事務所を借りてしまうのは家賃などが無駄になるので、とりあえず自宅で会社を設立し、あとで移転しようと思っていますが大丈夫でしょうか?」という相談をよく受けますが、宅建業免許について言えば、こうしたことはできないのです。
宅建業を新規で開業するには思っているよりもお金がかかるかもしれません。そのことを踏まえたうえで、ゆとりを持って資金面の準備を行ってください。
②事務所の用件
宅建業における事務所は重要な意味を持っているとされています。個人情報を扱ったり、契約書などを保管したりしているわけですから当然といえば当然ですね。そのため、事務所の要件について厳しく決められています。
宅建業を営むために必要な事務所は、「物理的にも社会的にも宅建業務を継続的に行える機能をもち、事務所として認識される程度に独立した形態を備えていることが必要」です。仮設の建築物を事務所としたり、自宅兼事務所という形態や、他の会社と合同事務所のような形態は原則として認められません。
しっかりとした建築物で、独立した入り口を持つ、独立したスペースでなければ、宅建業を営むことはできないのです。
逆に言えば、自宅や他の会社と同一のフロアにある会社であってもこれらの要件がクリアできれば、宅建業免許を受けることができることがあります。
自宅で開業する場合であれば、たとえば1階が事務所で2階が住居スペースのような場合です。1階と2階でそれぞれ独立した入り口を持ち、1階部分は事務所としてのみ使用しているような場合なら宅建業免許を受けることができます。
宅建業における事務所の問題は非常にデリケートです。あいまいな場合などは事前にご相談ください。
③専任の取引主任者の要件
宅建業の取引主任者は、宅地建物取引主任者資格試験に合格後、取引主任者資格登録をして、宅建取引主任者証の交付を受けている者のことを言います。宅建業免許申請の際に設置する取引主任者は、単に試験に合格しているだけでなく、登録をして宅地建物取引業者証の交付を受けている必要があるという点に注意が必要です。
宅建取引主任者には、専任の取引主任者と、それ以外の一般の取引主任者とがあります。専任の取引主任者でも一般の取引主任者でも重要事項説明をする業務の内容は変わりませんが、専任の取引主任者は一つの事務所に専任でいなければなりません。
この専任とは、「常勤性」と「専従性」を満たしていることをいいます。つまり、事務所に常勤しており、宅建業に従事していることを言うのです。例えば、複数の支店で取引主任者を掛け持ちしたり、宅建業以外の仕事をしたりすることは専任の取引主任者には認められないのです。
また、専任の取引主任者はその事務所で働く従業員数の一定数以上の割合で設置しなければなりません。この一定数は国土交通省令で定められており、現在は宅建業を営むひとつの事務所において、業務に従事する5名に1名が専任の取引主任者でなければならないとされています。専任の取引主任者が不足した場合には2週間以内に補充しなければならないことになっています。
専任の取引主任者については、他の会社と掛け持ちをするようなことはできません。申請に行くと、データと照合し掛け持ちをしていないかどうかがチェックされます。転職などした際に、前の会社のデーターで専任の取引主任者になっているようなことがあると、現在の会社での宅建業免許の申請ができないということがありますので、前の会社でしっかりと手続きをしてもらう必要もあります。